本記事の主題と結論
電池に関する明細書で電極に関連して”active material”が出てきたら、何と訳すでしょうか?
正解は「活物質」(かつぶっしつ)です。 活性物質でも活性材料でもありません。
活物質とは?
そもそも「活物質」とは、電池の電極材料で、電気を起こす反応に関与する物質のことです。例えば、アルカリ乾電池では、正極活物質は二酸化マンガン、負極活物質は亜鉛であり、二酸化マンガンリチウム電池では、正極活物質は二酸化マンガン、負極活物質はリチウムです。
参考までに上の文章を英訳すると、
Firstly, “active material” is an electrode material of a battery, that is, a substance involved in a reaction that generates electricity. For example, in an alkaline battery, the cathode active material is manganese dioxide and the anode active material is zinc, and in a manganese dioxide-lithium battery, the cathode active material is manganese dioxide and the anode active material is lithium.
となります。
上記のように”active”と”material”の組合せの場合に、訳語は「活物質」となります。
「電極材料」の訳語は”electrode material”でよいのか?と疑問を抱く方もいらっしゃるかもしれませんが、”active”と”material”との組み合わせで「活物質」なのであり、「電極材料」に対して”electrode material”という訳になっています。なので、同じ”material”を当てることに問題はなく、「物質」と「材料」で異なる英単語を当てる必要はありません。むしろ、専門用語は(日本語でも英語でも)当業者が通常使用する用語を用いることが好ましいです。
まとめ
電池に関する明細書で電極に関連する文において
“active material”=「活物質」(かつぶっしつ)です。
電池分野での特有の用語ですので、ご注意ください。
以上、どなたかのお役に立てれば幸甚です。