テーマおよび結論
数値範囲を示す際にoverやbelow、betweenが使用される場合、それに続く数値は、示される範囲に含まれません。
・”over”は「以上」ではなく、「~を超える」を意味する。
・”below”は「以下」ではなく、「~を下回る」を意味する。
・”between X and Y”は、「Xより大きく、かつYより小さい」(ただしX<Y)を意味する。
over および below の温度範囲での例
英語で数値範囲を表現するために、”over”、”below”、”between”が使用されることがあります。
“over”は、「~より高い」、「~を上回る」、「~を超える」の意味で使用され、”below”は、「~より低い」、「~を下回る」、「~未満」の意味で使用されます。
例えば、 “a temperature over 60℃” は、
「60℃超の温度」または「60℃より高い温度」を意味しますが、
「60℃以上」ではありません。
また、”a temperature below 50℃”は、
「50℃未満の温度」または「50℃より低い温度」を意味しますが、
「50℃以下」ではありません。
between の温度範囲での例
“a temperature between 70℃ and 90℃”の場合、標準訳は「70℃と90℃の間の温度」ですが、この英語表現では、厳密には、70℃<温度<90℃の範囲を意味します。和文では意識されにくい点ですが、注意しておきたい点です。
和文英訳において「70℃から90℃までの温度」を「a temperature from 70℃ to 90℃」と訳出することは問題ないのですが、「a temperature between 70℃ and 90℃」と訳出してしまうと厳密には70℃と90℃を含まない温度範囲となってしまうので、ご注意ください。
英語明細書では、端値(上記例では70℃と90℃)を含むことを明確にするために、
“a temperature between 70℃ and 90℃, inclusive”
と記載される場合があります。
まとめ
・”over”は「以上」ではなく、「~を超える」を意味する。
・”below”は「以下」ではなく、「~を下回る」を意味する。
・”between X and Y”は、「Xより大きく、かつYより小さい」(ただしX<Y)を意味する。
以上、どなたかのお役に立てれば幸甚です。